鉄器は熱との相性が非常に良いという利点が上げられます。また鉄瓶で沸かした湯は冷めにくく、驚くほど甘美な物となります。
沸騰したお湯の温度が100度近くになった時、水の中のさまざまな物質(特にカルキ分)が鉄瓶内部で除去されるからです。
そのうえ身体に吸収しやすい鉄分(二価鉄)が含まれるため貧血予防に役立つといわれています。
●初めて使用されるとき
鉄瓶の中をゆすぎ、お湯を沸かしてください。使い始めは2、3回繰り返しお湯を沸かし、お湯が澄んでから飲用してください。
●内部の湯垢について
使用を繰り返すと次第に鉄瓶の中が焼皮(酸化皮膜)で覆われ褐色の斑点や模様が出て、さらに使い続けると白い湯垢(水中のミネラル成分)がつき始めます。この湯垢で過度な錆びの発生を防ぎ、鉄瓶の持つ特性を生かすことができます。
■ご注意ください
たわしなどで内部をこすらないでください。
付着した湯垢はとらないでください。沸騰したお湯が透明であれば問題はありません。
錆びつかせないために、沸かした湯はポットや水筒に移し変えてください。使い終わった後はすぐに水気を拭き取り乾燥してください。
●錆びた場合
鉄瓶は、扱い方に関わらず自然に錆が出てきます。多少の錆があっても、お湯が濁っていなければ安心してご使用ください。ただし、内側に赤錆が広がったり、沸かしたお湯が赤くなってしまう場合はつぎの手順で対処します。
緑茶の葉をティーバッグに入れ、鉄瓶に水を8分目まで入れて30分程度沸騰させます。緑茶のタンニンと錆びが反応し、タンニン鉄が生まれます。
湯が半分をきったところで、再び8分目ほどまで水を入れ沸かします。(茶葉はそのままで大丈夫です)この作業を2〜3回繰り返します。
●表面のお手入れ
鉄瓶の表面のお手入れは、煎茶が効果的です。鉄瓶が余熱で熱いうちに、煎茶に浸し軽くしぼった布で磨きます。お手入れを丁寧に続けることで独特の光沢が生まれ、うつくしい経年変化をお楽しみいただけます。